炎を呼ぶ!オーストラリアの植物たち
(2020年4月18日投稿分)
前回に引き続き、「なぜオーストラリアはこんなに火事が多いのか」シリーズ
第2弾『植物編』です!
前回、オーストラリアの乾燥気候について書きましたが、
実は、植物学界では
「オーストラリアの植物たちが火事をよび起こしている」
と考えられています。
なんと、恐ろしい植物…!
でもこれは栄養に乏しく、やせたオーストラリアの土地で生き延びるための、
植物たちの作戦です。
炎を呼ぶ植物として、最も有名なのが『ユーカリ』です。
上の画像の様に、ユーカリは樹皮がベロベロむけやすく、地面に落ちています。
この樹皮を含め、ユーカリは全身にたくさんの油を含んでいて、めちゃ燃えます!
ユーカリは次世代の成長促進に山火事を利用していて、山火事が起こった後ぶわっといっきに新芽が芽吹き、一面を覆います!
ユーカリのたねには、ちょっとした仕掛けがあるものが多くて、煙や高温にさらされないと、種が入ったカラが開かなかったり、発芽が抑制されています。
そして山火事が起こると、森が燃えてできた炭の栄養とたくさんの太陽光を浴びて、
若いユーカリの芽は一気に成長するというわけです。
ユーカリだけでなく、オーストラリアの植物のほとんどが山火事に適応しています。
でも、ユーカリほどガッツリ適応している種類ばかりではないです。
しかし、この様なオーストラリアの植物の生態は、地球の歴史から見るとけっこう最近のこと。
『大陸移動説』
ってなんとなーく知ってる方多いと思うんですが、
2億年くらい前、オーストラリアは『パンゲア』という超大陸の一部で、南極大陸とか南米と繋がっておりました…。
そして、その頃は雨が今よりたくさん降っていて、雨林(うりん)という深い森におおわれとったそうです…。
私がいたタスマニアとケアンズは、そーんな地球の歴史を証明する、
貴重な☆雨林☆が残っているところです!!
なかでも、寒い地域にみられるので『寒冷雨林』と呼ばれます。
寒冷雨林って、あんま聞かないですよね。
寒い場所にある、雨林ってことで、熱帯じゃない雨林なんです!珍しいのです!
世界自然&文化遺産に登録されている、大切な森です♪
(UNESCO, タスマニア原生地域、Tasmanian Wilderness)
雨林の木は炎にとても弱く、全く適応していません。
もし山火事が起こってしまうと、ながーい年数がたたないと戻ってこれず、ひょっとしたら2度と戻らないケースも…
5年くらい前?に、タスマニアで大きな山火事があった時には、こっちのほうもかなりダメージあったそうです…
地球のれきしが…失われていきます~涙( ;∀;)
そして火事の後には、山火事にうまく適応しているユーカリなどが取って代わることが多いのです。
こちらはケアンズの北にある、『熱帯雨林とサンゴ礁が出会う場所』ケープ・トリビュレーションという場所の熱帯雨林です。(すいません、ぼけた画像(;^_^A)
この時はせっかくすごく良いとこ来たのに、日帰りで帰ってしまった…。
次回はもっといっぱい探検しようと思います!
ここも地球の歴史を証拠を残す貴重な熱帯雨林なので、世界自然遺産に登録されています。
(UNESCO、クインズランドの湿潤熱帯地域、Wet Tropics of Queensland (1988))
というわけで、
炎を呼ぶオーストラリアのたくましい植物たちと
湿潤な森に細々と生き残る、雨林の木々のお話でした!
オーストラリアの大学で植物学を専攻すると、こんな感じのことを習います~!
オーストラリアの本当にきれいな場所は、メジャーな観光スポットの外にあるので、現地に行く機会があればエコツアーに参加して、本当の大自然を見に行ってくださいね♪
あそう
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